| 役所による工事完了検査 |
役所による工事完了検査 投稿者:相談者No,1440
本日(6月25日)の朝日新聞「くらし」欄に、欠陥新築住宅に関する記事がある。中間検査について、東京都建築指導課は「手抜きをしている業者が自信を持てない物件はまず検査を申し込まない。そういう業者の指導までは手が回らない」と語っているらしい。 これに関連して、下記のことを教えてください。 役所が関与する仕事には、建築申請書の確認(イ)、中間検査(ロ)、 さらに工事完了検査(ハ)があると思う。中間検査については、上記のように役所が繁忙のために見逃すこともありうるでしょう。 しかし、少なくとも建築申請書の確認と工事完了検査はセットで行うべきであろう。 私(九州)の二階建住宅の場合、手抜き工事が目立ったので、工事完了検査済証を請求したところ、 「工事に違法なところがあったので、工事完了を役所に届けなかった」と建築業者(大手ハウスメーカー)は素直(?)に言い、「工事完了の届けがなければ、検査はできない」と役所は逃げる。 建築工事の申請を認可したのだから、強制的にでも工事完了の検査をするのが、監督官庁の責務であると思いますが、いかがでしょうか? 教えて下さい。 |
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Re: 役所による工事完了検査 投稿者:青騎士
中間検査は建物の構造に関わる重要な検査なので、これは絶対に必要だと思います。 中間検査が通らないとその後の施工はできないはずです。
完了検査は従来だと受けないですましてしまうことも多かったと聞いています。 書類上は、ずーっと工事中状態ということになりますが、、、
今年の秋からは公庫が完了検査を要件にするとのことなので、 これからは完了検査の実施率も上がると思います。
ただ、実用上は問題なく便利なのに法律上は違反建築となるような構造があるときには、 完了検査を受けるかどうかは悩むところです。
拙宅ではキッチン周囲が耐火構造でない?らしく完了検査は受けない予定です。 友人の家ではキッチンに耐火壁を作り、ロフトの入り口を塞いで完了検査をすませて、 その後に耐火壁を取り払い、法律上は違法なロフトを完成させたとのことでした。 |
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Re: 役所による工事完了検査について 投稿者:現役設計者
建物を建てる際の通常の申請関係の流れとしては、 @建築確認申請→A建築中間検査→B建築完了検査となります。 但し、木造2階建住宅の場合は、各特定行政庁(建築主事のいる「都道府県、市町村」)毎に 多少、基準が異なりますが、Aの中間検査は省かれることが殆どです。 逆に、3階建の木造の場合は、中間検査が必要となることが殆どです。
中間検査の時期は、屋根工事時点若しくは内外装工事時点になるのが普通です。 しかし、検査項目については、建築基準法で定められ、「確認申請書」に記載されている通り に、施工されているかどうかの検査だけであって、仕上がりの良否まで見るものではありません。 この点は、完了検査についても同様です。
上記の、建築基準法で定められた、確認申請、完了検査以外に、「住宅金融公庫」の融資を 受けて、建設する場合には、金融公庫の「仕様書」に則った、「設計審査」→「現場審査」 と言う、別の流れがあります。 これは、建物の規模等に関係なく、公庫融資を受ける場合には、必ず必要ですし、建築基準法 の検査より、多少、細かい内容になっています。 但し、これについても、仕上がりの良否を云々するものではなく、「公庫の建設基準」「建設費」 「出来高査定」の色彩が濃く、この審査に合格しても、施主の満足する「建物」になっているか どうかは、担保出来る訳ではありません。 また、「青騎士」さんが書かれている通り、今年の10月1日以降は、「竣工時現場審査」が必要となり、 (10月1日以降に設計審査申請を行ったもの)、又、公庫に対し、「検査済証(写)」の提出が必要となり ます。(逆に言えば、それまでは、「検査済証」は提出する必要がなかった!)
この二つの申請や検査以外に、去年の4月から施行された、 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)による、申請、検査があります。 この法律に関しては、以下の二つに大別されます。
@瑕疵担保期間の10年義務化 A住宅性能表示制度
@については、去年の4月以降に引渡しを受けた「新築住宅」(それまで、人が住んだ事 がなく、工事完了後1年以内であるもの)の ○構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材) ○雨水の進入を防止する部分(屋根の仕上、下地等、外壁の仕上、下地等、外部の建具、雨水排水管 の内屋根、内部にあるもの) についての、「瑕疵」については、最低10年(契約時に20年までの延長が可)の補修請求、賠償請求 が出来る。(10年未満の瑕疵担保契約は不可) 但し、「瑕疵」の「立証」は「消費者側」にあります。(第三者機関等に頼むことは可能)
Aについては、注文者、設計者、施工者等、誰が申請することも可能です。但し、この申請は、 任意であり、「義務付け」ではありません。 しかし、この制度を適用して、「住宅の性能表示」を受けた場合は、設計時(工事契約前)に 「設計住宅性能評価書」を受け取り、施行段階で「施行段階の検査」(3回程度)を受け、 完成時に、「完成物検査」を受けて、「建設住宅性能評価書」の交付を受けることができます。 (但し、施行段階検査、完成物検査についても、飽くまで任意です。) そして、上記の評価を受けた建築物に、評価対象となる部分(内容は、選択部分もあり、「品 質確保促進法」の解説が、国土交通省のHPにもありますので、ご覧下さい)について、完成後 に「請負契約」「売買契約」に関して、「トラブル」が起きた場合に、「紛争処理機関」において、 紛争処理(あっせん、調停、仲裁)を行う事ができます。 勿論、その為には、「工事請負契約書」や「売買契約書」に、上記の「建設住宅性能評価書」を 添付することが必要です。
長々と書きましたが、現在の「建築確認制度」や「住宅公庫融資」などに付随する「検査」では、 現在トラブルとなっている、「欠陥住宅」の検査にはならない、ということです。 勿論、「住宅性能表書」の交付を受けているからといって、満足ではないでしょうが、現時点に おいて、公的な機関の保証としては、一番良いのではないでしょうか。 少なくとも、注文者(消費者)が、「住宅性能表示制度」を適用したい旨の「意思表示」をした 場合に、「いやがる」ような、設計者、施工者をより分ける方法としては、適当だと思います.
P.S. 施主が上記の「性能表示制度」を適用する場合、当然、その作業に付いて、「対価」(設計事務所、 施工者に依頼する場合)及び「料金」が発生します。 |
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Re: 役所による工事完了検査 投稿者:相談者
青騎士さん、現役設計者さん;大変有益なコメントと解説ありがとうございます。 法律が転換期にあるようですが、下記のことも教えて下さい。
2年前(1999年)に引渡しを受けた2階建注文住宅(すべて自己資金)です。 契約図書と著しく異なるところが多かったので(目視)、入居後に施工業者による補完工事を行いました。しかし安全上不安ですので、役所による工事完了検査済証を施工業者に請求しました。 工事に違法なところがあったので、工事完了届を出さなかった(注文者に相談しないで);現時点で役所へ届けても、完了検査証を発行してもらえない; とのことです。 対処法を教えて下さい。 |
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Re: 役所による工事完了検査 投稿者:現役設計者
まず、建築基準法の規定によれば、「完了検査」は、《工事が完了した日から、4日以内に届出》 となっていますので、竣工後、2年では、完了検査の届出そのものが不可能です。 しかし、どの建物でも、4日以内ということはなく(どの時点が完了かと言えば、その建物を、使用していない状態であれば、数ヶ月は完了検査を受けることは、勿論、可能と考えられます。 又、申請をしなかったことについての、特例的な措置もありますが、災害等止むを得ない事由の場合のみで、「峠 路郎」さんの場合には、当てはまりません。
法令上の運用は以上ですが、 私の疑問点は、何故、そんなに「検査済証」にこだわられるのか、ということです。 それとともに、「工事に違法があった」という、その違法の内容がどのようなものなのでしょうか。
@それが、注文者の指示によるものなのか。(失礼を省みず、申し訳ありません。) A施工者側の、勝手な理由なのか。 B意図して行った違法行為か、気付かずに行ったものなのか。 C建物全体に関するものか、部分的なものか。 D構造上問題があるものか、意匠上のものか。 E「補完工事」を行ったとのことですが、それがどんなものなのか。 等々・・・・
その内容によって、対処方法も変わってくると思いますが。 又、「安全上不安」と書かれていますが、それなら、建築を請け負った(大手ハウスメーカー)に断りを入れた上で、「第三者機関」にて、検査をするなどの方法もあるか、と考えますが・・・・・ |
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Re: 役所による工事完了検査 投稿者:相談者
現役設計者さん; 専門的観点からのご教示(6月27日付)大変参考になりました。ありがとうございました。
私の場合、施工者側の勝手な理由によるものでした(貴殿の区分2)。造成と建築の一括注文建築ですが、契約図書(これは役所へ提出した建築確認申請書と同内容)とは異なる設計図面を、私とは相談しないで作成して、施工していました(素人でも目視でわかる構造的なもの)。 できるだけ穏便に解決しようと思って、契約責任者(営業所長)と交渉していたが、なかなか進展しないので、結局は本社との交渉で瑕疵と違法部分を確認しました。 すぐにも危害が予想されるところ(建物)は補完工事しているが、まだ違法性の部分(敷地関連)も残っています。
補完工事や賠償の交渉は当事者間でも可能かもしれない(精神的にも物理的にバリアーは非常に大きいが)。しかし、安全性については第三者による検査が必要でしょう。 建築申請書を審査した監督官庁に完了検査を依頼したが、だめでした。貴殿が書いておられるように、所定の期間内(4日?)に役所への工事完了届がなかったので、役所は検査できないとのことです。他方、施工者側は、違法部分があるので、工事完了届を出さなかったそうです。この構図は、建築基準法が形骸化して、手抜き工事を黙認することになりはしないか、と心配です。 施工者が意図的に完了届けの提出を怠った場合には, 4日経過後でも,注文者からの希望があれば、完了検査申請を受理すべきであろう、と痛感しています。
現役設計者さん、いろいろな問題点を公正にご指摘、ご指導いただきまして、あらためて深謝します。 同様な問題をかかえている方々にも参考になるものと思います。 |
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Re: 設計者の雑感 投稿者:現役設計者
「相談者」さんへ 丁重なるご返事恐れ入ります。 貴殿の「件」が無事に解決することをお祈りしております。 この件に関する「書きこみ」については、これで最後にさせて頂きますが、
「現役設計者」としての、雑感をこの場をお借りして、以下に書かせて頂きます。 飽くまで「雑感」ですので、「峠 路郎」さんの問題とは無関係とお考え下さい。 @現在の「確認申請」→「中間検査」→「完了検査」については、不完全であることは痛感しています。 しかし、それすら、行われていない建物が多数あることも事実です。 A設計者(建築家、建築士、設計士)も千差万別。代願のみ(申請書に記名するのみ)や下請事務所 (ハウスメーカー、工務店、ゼネコン、他建築事務所)、設計のみで監理を行わない人など。 しかし、申請書に「設計者」「監理者」として、「記名」した者は、対価の多寡を問わず、責任が 既に発生していることは明白ですので、注文者側は「その事を声を大にして言うべきですし、 それは、当然の権利です。」→業務に対する「費用」(対価)は、別次元の問題です。 B注文者は、設計者(分離発注、設計施工一括を問わず)に対し、「違法建築」を要求すべきでは ないし、設計者も、そのような要求があった場合は、毅然とした態度で、拒否すべきです。 (勿論、その内容については、丁寧に指摘、説明することは言うまでもありません。) その時に、注文者は「他ではいくらでも、やっているじゃないの!」という言葉で、あたかも 設計者の「能力不足」であるかのように振舞わないで欲しい。又、違法な内容であっても、 「この位のことなら誰でもやってますよ。」というような「甘言を弄する」設計者や工事業者 の言う事に耳を貸さないで下さい。(心配なら、行政窓口(建築指導課、審査課に問合せて 下さい。)申請者は、飽くまで「注文者」自身なのですから。 C注文者は、(信頼関係の上で「全てまかせている」)と言わずに、契約書、仕様書、図面内容、 役所提出書類、現場等々、疑問と思われる点については、ご自分が納得できるまで、トコトン 確認して頂く事。その建物は、「貴方自身」の建物です。
色々、勝手なことばかり書き連ねましたが、設計者も反省することが多々あることは事実です。 (私が、と言い直したほうが良いかもしれませんが) これからも、良い「建築」を創り上げるために、研鑚努力をしなくては、と痛感しています。 妄言お許し下さい。 |
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